「とにかくやれ」ワンパターン上司を華麗にかわす方法

こんにちは。小泉です。

上司や先輩に、うまくいかないことについて相談したり、すすまないなと悩んでいると、「とにかくやれ」「いいからやれ」といわれることがあります。

英語では、「Just Do it!」という言葉で、ナイキのスローガンになったり、映画で夢に向かって邁進する人に向けて贈る言葉で使われたりします。

でも、日常生活で、そんなヒーローを目指してるわけでもない普通の人からすると、「とにかくやれ」といわれても、ぶっちゃけ「なにをやったらいいかわからないよ」「一体どうやれっていうんだよ」って本当は言いたくなるものです。

でも、そんなこと言おうものなら、「俺の若いころは、誰にも教えてもらわなくても仕事はやらなければならなくて・・・」と昔話が始まってしまうでしょう。そもそも、映画なんかで「Just Do it!」と言われて奮い立つのは、教えてくれた人のことを尊敬しているからであって、別に尊敬しているわけでもない、たまたま上司や先輩になった人の武勇伝なんて、全然興味がありません。

では、こういうことを言ってくる人が後を絶たないのはなぜなのでしょうか。

実は、「とにかくやれ」は、指示出しのバリエーションがない人の言い訳だった

ちょっと極端な現場の例でみていきましょう。

自社の営業部長が、「売り上げ向上のための改善策を提案しろ」と、課長Aと課長Bに指示をしたとします。

ある課長Aは、「ローラー作戦ですべての見込み客リストをあたる」「一人当たり100人と商談をするまでやり抜く」という作戦を起案します。

そして、課長Bは、「まず見込み客リストをトップセールス対象、取引銀行紹介、DMから電話営業と分類しよう」「トップセールス対象の顧客に対しては課長自信が部長と共に訪問」「取引銀行からの紹介してもらう」という作戦を起案するとします。

二人の課長は同じ年次で、同じ営業部署でこれまでもやってきたとします。考え方に大きな相違がある。ということが分かりますでしょうか。

ちなみに、これを同時に始めたとして、どちらが会社にとって良い結果を出すかどうかは、わかりません。課長Bのほうが合理的でよさそうに見えるかもしれませんが、結果がでるかどうかはわからないということは知っておくべきです。

話を戻すと、「とにかくやれ」というタイプの課長は、多くの場合、自分が「とにかくやってきた人」です。しかも、それなりの成果を出している人だということが多いです。つまり、成功体験がある人なのです。

営業成績もトップクラスでいち早く課長に昇進していたりするものです。

経験的に「このやり方が良い」ということがわかっている人ほど、新しいやり方を取り込めない。というより、実際は「思いつくことができない」のです。

その結果「指示出しのバリエーションがない」という状態になるのです。

2割の時間を新しいことに割く提案をする

成功体験に依存したやり方しかできない人は、別の体験で成功する以外に、自分を曲げることがほぼありません。困ったことに年を取るほどガンコになって、よけい曲げない人も多いのが実際です。

こういう人が上司や先輩の時は(大前提として、その人の信頼を勝ち得ていることが必要ではあるのですが)、2割の時間を新しいことにトライするという提案をしてみるのが有効です。

以前ご紹介したように、室内で音楽を聴くのが当たり前の時代に、ウオークマンを発明したソニーは、外でも音楽を聴けるようにしたようにしたわけです。おさらいをすると、「こうしなければならない」「これがあたりまえ」といった、「あたりまえの壁」を取り払うことが重要でした。

そこで、その人にとって大きな痛手にならない(と感じる)範囲で、新しいことをトライして、別の成功体験をさせてあげることで、「あたりまえの壁」を崩せる可能性があるのです。

ちなみに、その2割の内容は、無茶なトライではなく、成功確率の高い内容であることが重要です。例えばこの場合、課のメンバーがコミュニケーションをとりやすいクライアントで、「購入をしてくれる可能性が高い方のために時間を使いたい」といった提案をするイメージです。

6.ごり押ししてくる上司を華麗にかわす-2

この上司への提案の際には、「統計的にみても、新規の顧客より既存顧客のほうが、購入をしてくれる可能性が高い、自社のことを気に入っている人のほうが、自社のことを知らない人より購入してくれる可能性が高い」、といった外部のデータなんかも流用することも重要です。

こういう課長は、自分の経験が一番なので、あなたの経験に耳を傾ける確率が低いから、外部の権威から撃破する方法のほうがベターだからです。

そして、トライしたことが成果を出し始めれば、考え方を変える可能性がかなり高まります。

「とにかくやれ」というタイプの上司や先輩に、苦労している人は、仲間と知恵を出し合って2割の時間を捻出してもらうことをやってみることをおすすめします。

小泉耕二

1973年生まれ。IoTNEWS代表。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。Yahoo! ニュース公式コメンテーターなど。

大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。

著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来予報」がある。