思い通りに周りを動かすのに必須なヒヤリング力

こんにちは。小泉です。

人とのコミュニケーションにおいて、話の本心が分からない、本当にこの人はこれが言いたいのかな?と思ったことないですか?

私はコンサルティングや取材の際、いろんな方の話を伺う機会が多いのですが、ポジショントーク(ある立場から話すがゆえに、本心ではないことを話すこと)をしている人や、イレギュラーケースに固執して本質的な話に耳を傾けてくれない人が多いなと感じております。

普段の会話であれば、聞き流すとか、いいたくないのかな、と気遣いをするところですが、ビジネスのシーンではそうもいきません。

特に、事業の立ち上げをやる、ソリューションの提案をする、という人からすると、「一番大変なのが社内調整だった」「いわれた内容で提案したら的外れだった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。

自分の思い通りに提案したことや、企画が通れば、それだけ仕事のやりがいも感じることができます。しかし、それには、提案や企画自体が洗練されていて、おもしろい、というだけではダメなのです。

なぜなら、提案や企画を実現すること、一人でできるわけではないからです。周りの協力が必須です。企画によっては資金が必要な場合もあります。提案した内容が通れば、実際に作業を行う仲間も必要でしょう。

つまり、自分が思った通りにやりたいと考えたら、まずは周りの人の考えを「正確に」聞き取ることが重要になるのです。

そこで、今回は、話し相手の本心(話の本質)がわかるヒヤリングのコツをお伝えします。

本質を言葉通りで理解できることは100%ない

私は、ヒヤリングをする際(仕事上の会話においても)、相手が話している内容をその言葉通り取るべきではないと常々思ってます。

なぜかというと、例えば企画書や提案書を書く際、ベースになるのは、「事実」です。「課題」がなんであるか、「要望」がなんであるか、聞くことからすべてはスタートするのですが、ヒヤリングした「課題」や「要望」が話しての立ち位置や考え方、感情などから、実際に言いたかった本質から「ズレ」ていくのです。

この「ズレ」が厄介で、ここをきちんと整理して、適切な「調整」を行っていない場合、ヒヤリングをもとに作った各種提案や企画が、多くの人にとって違和感のあるものになってしまうのです。

そこで、このズレを調整しながらヒヤリングをすることが重要になるのはいうまでもありません。

具体的に、ズレを調整したいと思った時、気をつける要素としては、

・業界全体のムーブメント
・その会社組織における話し手の立ち位置
・話し手の経験(営業畑、製造畑など)
・話し手が自由に使える予算
・話し手がやりたいことを通す際の承認プロセス(やりずらい上司がいるなど)
・ワークスタイル(細部にこだわるあまり全体が見えない話をするなど)
・・・・・

とびっくりするくらいたくさんの要素があります。

例えば、ヒヤリングする相手が事業責任者であれば、大なり小なりうまくいっているように言いたがるし、現場の課題を現場の人に聞く際は、視野の狭い話をされがちです。人は置かれている立場によって視点が変わるということを物語っているのだと思います。

さらに、感情(やその日の気分、自分が好かれているか)も厄介です。いくら冷静な人でも、感情に左右されます。

ズレを調整して話の本質を見抜く

こうやって、ズレが起きるポイントが分かってくると、人の話を聞く際、ズレを調整しながらヒヤリングすることが可能になります。

では、ポイントが分かったとしても、「どれくらい」ズレているとかんがえればよいのでしょうか?

例えば、合議制のカルチャーが浸透している会社では、例えば部長から言質をとったとしても、後日覆ることが多いのです。

そういう相手については、話を聞くことはもちろん重要ですが、そのことについて意思決定に関係するのは誰なのかを調べます。(もちろん聞くのです)

その質問をぶつけた時点で、「〇〇部長はこの案には反対しそうなんだよね」なんて、何らかの情報をくれるかもしれません。

そうなると、「〇〇部長はどういうお考えなのですか?」とまた質問するのです。

こうやって、自分がヒヤリングしている相手の仕事環境がどういう状態なのか、社長や部長といったタイトルとは関係なく、会社の内部の力関係はどうなっているのか、といったことを見切れるようになると、徐々にズレの量が見えてきます。

件の部長が、「この提案は絶対に通りそうだよ」といったとしても、見切りができてれば、「部長は、ああいってるけど、たぶん〇〇部長が横やりをいれてきて、それを説得しないと話がなくなるな・・・。説得のための材料を準備して部長の援護射撃をしなければ」と、次のアクションを考えることができるようになります。

こういったズレを意識しないで、相手の言ったことを真に受けているひとは、いつも後手を踏んでしまい、自分の思ったことを実現できなくなる傾向にあります。

ぜひ、このズレを見切る技術を身に着けて、自分のやりたい企画や提案をどんどん実現していってください。

小泉耕二

1973年生まれ。IoTNEWS代表。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。Yahoo! ニュース公式コメンテーターなど。

大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。

著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来予報」がある。