ホームセキュリティというと、日本ではセコムだけど、IoTが話題になり出してから、家の窓に取り付けるタイプだとか、カメラを使って不審者を検知するタイプなんかも登場しています。
細かく取材をすすめると、窓に取り付けるタイプだと、サイズが合わないと使えない場合があったり、カメラだと死角ができてしまうという課題がでてきます。
そこで、もっと手軽に家の中に侵入者がいないか確認する手段はないかと思っていました。
Hex Homeは、Wifiの波をつかって空間検知
今回紹介するHex Homeは、Wifiを使って侵入者を検知します。
まず、アプリをダウンロード、親機をWifiに接続、そして、部屋のどこかのコンセントに子機をさしておく。これだけです。


そうすることで、親機から発せられたWifiの電波を子機は受け取るわけなのですが、その際、いつもと違う波がきている場合、部屋にこれまでなかった物体が存在するということになりますよね。
こうやって、侵入者を検知するという仕組みなのです。

AIセンシング技術なる10段階の設定が可能で、専用アプリで設定すれば、ペットやルンバのようなお掃除ロボット、ファンで揺れるカーテンなんかは無視することができます。

在宅、警戒、外出、の3つのモードがあって、外出時は侵入者を検知するとサイレンが鳴る。
スケジュール機能もあるから、生活リズムが決まっていればあらかじめ設定しておくことも可能だ。

Hex Homeホームセキュリティシステムは、2021年春に、一般向けに販売開始する予定で、24時間365日の監視サービスは月額980円(税抜)。サービスに必要なデバイス基本セットは18,000円(税抜)で販売されるそうです。
オリジンワイヤレス社とこの技術の先にあるもの
ちなみに、私はこのデバイスを提供しているオリジンワイヤレスを2017年に取材したことがあります。(光栄なことにホームページにもIoTNEWSのロゴを載せていただいていいます)
センサーを使わず、電波だけでIoTを実現する -Origin Wireless Japan CEO 丸茂氏インタビュー
この頃から興味深い技術だなと思っていましたが、ついに製品化したのだなと考え深いものがあります。
上の記事を読んでもらえるとわかるのですが、この技術を使うと、電波の測定によって、「呼吸のペース」をモニタリングしたりもできるのです。
また、人によって電波の波が変わる様子が違うので、例えば一家4人が暮らしていて、誰が帰宅したかなんてこともわかるというわけなのです。
カメラで室内を監視するのは、プライバシーの観点から嫌な人も多いと思うのですが、電波なら安心ですね。
Hex Home、こういう高度な技術を、手軽なデバイスにまで落とし込めたことがとても良いなと思いました。
1973年生まれ。IoTNEWS代表。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。Yahoo! ニュース公式コメンテーターなど。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来予報」がある。