フィリップスは、オランダ、アムステルダムに本拠地を置く多国籍企業で、電動歯ブラシや髭剃り、ドライヤーなどでお世話になっている人も多いのではないだろうか。
CES2021でフィリップスは、「SenseIQ」というキーワードを打ちたてきた。
このSenseIQとは、センシング技術をつかって、ヘルスケア家電をより賢くしようと言う取り組みです。
歯ブラシ x SenseIQ = AI搭載電動ブラシ
電動歯ブラシというと、歯磨きをする場所を指定して、そこできちんと磨けているか、磨き残しがないかなどをスマホで可視化するような取り組みが多かった。
今回、フィリップスが提供した電動歯ブラシは、ブラッシング圧を検出して、圧力を自動調整してくれるというものでした。
別に圧力を感知する機能自体は新しいわけではないのですが、これまでは圧力が強すぎるとランプなどで教えてくれるというものでした。
つまり、圧力の調整は自分でやらなければならなかったのですが、今回のでは、歯ブラシが自動で調整してくれるのです。
人間は、好きな圧力で持っておくだけで良いというので、電動歯ブラシの使い方がいまいちわからない、どれくらい押し付けるのが正解かわからない、というような人のはとても嬉しい機能になりそうです。

また、紫外線除菌装置なんかもリリースされていて、コロナ禍においてはこういうガジェットも気になりますね。
ヘアドライヤー x SneseIQ = AI搭載ドライヤー
ドライヤーと言うと、センシングする余地なんてないと思っていましたが、今回の発表では、デジタル赤外線センサーなるもので、なんと1秒間に30回も髪の温度を検出し、温度と風量を最適化すると言うのです。
その結果、髪の潤いを最大95%キープできると言います。風速もちゃんと担保されているから、潤いキープのためになかなか乾かない!ということにはならなさそう。

髪が長くなると時短したいからガーッと乾いて欲しいし、でも、乾かしすぎて潤いがなくなるのも困る、という気持ちに答えてくれていますね。
やるなフィリップスという感じですね。
シェーバー x SkinIQ = AI搭載シェーバー

「シェーバーは、SenseIQじゃないの?」と思いましたが、毎秒125回ヒゲの密度を感知して濃さに合わせて自動調整するというものです。
これもいいのですが、洗浄ポットがコードレスかつ小さくなったと言うことです。
置き場所に困るシェーバー、毛クズなんかも問題になりがちな洗面所周りでの解決策としてはかなり嬉しいですよね。
フィリップスのホームページ
数年前にIoTヘルスケア家電が話題になり、なんでもネットに繋いでスマホで可視化・・という流れがあったのですが、その頃(IoTNEWSの編集者でありながら)これ誰が使うの?って思ってました。
デジタル技術は使い所が重要だと思うのですが、今回のような利用者視点に立って、いろんな改善をしてくれるのは本当にありがたいなと思います。
1973年生まれ。IoTNEWS代表。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。Yahoo! ニュース公式コメンテーターなど。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来予報」がある。